Weel done, Cutty-sark ! ~ 水が苦手な魔女 「ナニー・ディー」

 

Act.1 カティー・サーク(Cutty Sark)=スコットランド語で、短い(Cutty)シュミーズ(Sark)の意味。短めのシミーズのような下着のこと。

 

事の始まりは、スコットランドの詩人ロバート・バーンズの物語詩「タム・オ・シャンター」より ...

 

ロバート・バーンズ(1759~1796年)

 

嵐が吹き荒れている深夜、パブ(酒場)から農夫のタムが彼の馬のメグに乗って家路を急ぐ ...

 

途中、魔女やウォーロックが踊り、悪魔がバグパイプを演奏している集会のような光景に出くわした。

 

 

酔っ払っていたタムは、カティサークを身にまとった若くて妖艶な魔女(ナニー・ディー)に魅了され、思わず叫んでしまう。

 

「Weel done, Cutty-sark !」

 

そのとたん、一瞬ですべてが暗くなり、魔女や悪魔たちがタムを捕まえようと突進してきた。タムは馬にまたがり、命からがら川に向かって逃げ出した。

 

カティサークの魔女に馬の尾をつかまれたものの、尾が抜けてしまったため、タムは逃げのびることができた。(※Wikipediaより抜粋)

 

 

(※民間伝承によると、魔女は流水を渡ることができないため、タムはドゥーン川に向かい追手から逃れようとします。)

 

 

Act.2 カティー・サーク(Cutty Sark)=19世紀に活躍したクリッパー(快速帆船)

 

「タム・オ・シャンター」という序曲が船名と船首像の由来 ...カティサーク号の船首像はカティサークを身にまとった魔女であり、その手にはタムの馬(メグ)の尾が握りしめられている。

 

 

※帆船カティーサークの船首像「ナニー・ディー」(架空の魔女)

 

19世紀中頃、イギリスの好景気により急激に増える茶の需要に応じる形で、アジアからの輸送を迅速に行うために使用され始めたとされ、こういった船の航海は商機を得るために植民地〜イギリス本国間で、いかに速く一番茶を届けるかを競った。クリッパールート吠える40度(南緯40度から50度にかける海域)の強風(卓越風)を利用した航路。

 

     

 

しかし、大陸横断鉄道とスエズ運河が完成すると急速に衰退、ティークリッパーとして活躍した期間は短いが、ウールクリッパーとしては1887年に、オーストラリア~イギリス間、69日間を記録 ...(※Wikipediaより抜粋)

 

(※参考) 紅茶レース時代、到来

 

 

Act.3 カティー・サーク(Cutty Sark)=1923年、ベリー・ブラザーズ&ラッド社(BB&R社)が開発した、ブレンテッド・ スコッチウイスキー。ブランドは、BB&R社の昼食会に招待されたジェームス・マクベイという画家が、この船にちなんでウイスキーのブランド名とした。

 

 

 

 

蛇足

 

※ 船名・船首像の由来

 

私的見解

 

1、タムの後を追うナニーの猛スピードから、速さを競ったティークリッパー = 〇

2、でも、「タム」は捕まえられていない = △

3、流水が渡れない魔女「ナニー」が大洋を何か月も航海する帆船の船首像? = × (致命的です。)

 

というのが、およその一般的見解かと思われるが、ここから思いも寄らない解釈 ...

 

そもそもタムオシャンターというお話は、酔っ払いが帰り道に悪魔や魔女が楽しく歌って踊っているのを見かけ、ナニーというカティーサーク(短い下着)のみを身に着けた上半身裸の魔女に見惚れ、ついうっかり触ろうとしてしまったことから怒りを買って追いかけられ、とうとう乗っている馬の尻尾を掴まれたが、尻尾が抜けて助かった、という話。

 

酔っ払いが助かったのは、尻尾が抜けた反動で川に落ち、カティーサークを濡らしたくないナニーは川の中までは追ってこれなかったから、という結末。カティーサークは「ナニー・ディー」が水から守ってくれるので沈まない、という縁起を担いで船名と船首像にしたというお話。事実、カティーサークは航海の途中で舵が破損したりマストが折れたりしたが、無事に港に到着している ...(※他web記事より抜粋)

 

※ ウイスキーのブランド名の由来

 

ジェームス・マクベイという画家の詩人ロバート・バーンズへ対するリスペクト? わかりません ...

 

 

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