カクテル「アドニス」 ~ 儚い恋、恋の苦しみ ...

 

カクテル「アドニス」 = ギリシャ神話に登場する美少年

 

 

 

アドニスの出生

 

 

 

 

(1900年 ジョン・ウイリアム・ウォーターハウス)

 

 

 

 

 

アドニスはシリアの王キュプロスと、その王女ミュラーとの息子。

 

 

 

 

アプロディーテー(ギリシャ神話における最高の美神)が、実の父であるキュプロスに恋するように仕向け、ミュラーは父親を愛してしまう...

 

 

 

思い悩んだミュラーは、乳母に気持ちを打ち明け、彼女を哀れんだ乳母は、祭りの夜に二人を引き合わせることに...

 

 

 

ある祭りの夜、まさか自分の娘だとは知らないキュプロスは、彼女と一夜を共にしてしまう。(ミュラーが顔を隠していたため。)その後、それが自分の娘だと知ってしまい、激怒しミュラーを殺そうとする...

 

 

 

ミュラーは激怒した父の追手から逃れるため、アラビアまで逃亡するが、彼女を哀れに思った神々は、ミュラーをミルラ(没薬)の木に変えてしまう。

 

 

 

ある時、その木に猪がぶつかり、木から生まれ落ちたのがアドニスとされる。

 

(Wikipediaより抜粋)

 

 

 

 

月日がめぐり、やがてその子は美しく成長する。

 

 

 

アドニスの美貌が故に二人の女神はアドニスの所有をめぐり争いに...

 

 

 

冥界の王ハデスの妻「ベルセポネ」 VS 美と愛の女神「アフロディーテ」

 

 

 

 

 

天界の裁き

 

 

 

「一年の三分の一をベルセポネと、三分の一をアフロディーテと、残りをアドニス自身の自由にさせる」という審判が下るが、アドニスは結局三分の二をアフロディーテと過ごしてしまい、このことがベルセポネの嫉妬へと...

 

 

 

ベルセポネはこのことをアフロディーテの愛人、軍神アレースへ密告。この事に腹を立てたアレースは、狩りの最中に猪に化けてアドニスを殺害。

 

 

 

その時に流した血がアネモネの花に...
(ウィキペディア、その他のwebより要約)

 

 

 

 

異説

 

アドニスの死を悲しんだアフロディーテの流した涙がアネモネの花に ...

 

 

 

 

(アドニスの死 エルミタージュ美術館)

 

 

 

 

 

アネモネの花言葉

 

 

 

はかない恋、恋の苦しみ、薄れゆく希望 ...

 

 

 

 

※写真はWikipediaより

 

 

 

古くから、アネモネの赤い花の色は「血」と「生命」の象徴とされる。

 

 

 

 

 

カクテル「アドニス」について

 

 

 

 

19世紀の後半、ニューヨークのロングランミュージカル「アドニス」に触発されての誕生。悲しくも美しい神話の美談も手伝い、ニューヨークのBarではたちまち、大評判に...

 

 

※誕生当時のレシピは、シェリーとスイートヴェルモットの割合が↑と逆の極甘口。

 

 

「美少年」という名のカクテル ~ アドニス

 

 

 

 

アモンティリャード・シェリー 40ml

スイートヴェルモット 20ml

ビターズ 1dash

 

 

 

神話になぞらえ、カクテル容量(シェリーとヴェルモットの比率)は2:1で。

 

 

 

アフロディーテとアドニスの恋は、褐色のアモンティリャード・シェリーのふくよかさで表現。

 

 

 

ベルセポネの嫉妬は、アンティカ・フォーミュラ(スイートヴェルモット)の濃厚さで例える。

 

 

 

 

 

 

ビターズの苦みは、

 

 

 

アフロディーテの苦しみ...(悲しみの心)

 

 

 

 

 

また、「アネモネの花」の神話にはもう1つ...
西風の神、「ゼフュロス」に見初められた、「アネモネ」のお話。(ローマ神話)

 

 

 

 

(フローラとゼフュロス 1898年 ジョン・ウイリアム・ウォーターハウス)

 

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