オールド・トム・ジン=カクテル「トムコリンズ」のベースとされるジン。サトウキビのフレーバー等で、甘味が加えられているジンで、一般的なジン(ロンドン・ドライ)よりも甘口。
近年の過剰なまでの「ジンのドライ化」の流れにより、Barで見かけることが少なくなってしまったクラシック・スタイルのジン。
現在、カクテル「トムコリンズ」は、ベースの「オールド・トム・ジン」がない場合は「ドライ・ジン」を代用し、甘味の不足分は砂糖などの甘味料で補ってもよい。とされる...
※ジンの時代の流れ(左から)
ジュネヴァ(オランダ) → オールド・トム(イギリス) → ロンドン・ドライ(イギリス)
時は、イギリスのビクトリア王朝時代 ...(1837~1901年)
※画像はWikipediaより
経済のめまぐるしい発展とは裏腹に、街のいたるところで粗悪な密造酒が出回り始める...
店先では密売の目印として、
「トムキャット=黒い年老いた雄猫」の看板を掲げる...
世界初の自動販売機システムの確立だった?らしい。
(「自動販売機」とは名ばかりで、実際は手作業が中心だったそうです。)
※当時の労働者階級の人々の様子
時は流れ、20世紀~
イギリスでは、辛口で雑味が少なく凡用性が高い「ロンドン・ドライ・ジン」が主流に...
やがて、その事とは対称に、クラッシック・スタイルのジンは、カクテル「トムコリンズ」以外の用途で使用することがなくなり、衰退の一途をたどる...
が、
近年、伝統の復活!
左=ピムリコ・ジン アルコール度数57 %
※同ヘイマン社の「オールド・トム・ジン」と対極にある「ロンドン・ドライ・ジン」
※ヘイマン・ディスティラリー
1863年創業。ロンドンでは珍しい家族経営の生産者で、曽祖父がビーフィータージンの考案者。(ジェームス・バロー)
蛇足
1、世界3大ジン
※左から
ジュネヴァ(オランダ) 、 シュタインヘーガー(ドイツ)、ドライ・ジン(イギリス)
2、サヴォイ・カクテルブックの再版(現代版)では、カクテルにより「ジン」の銘柄指定あり。
(例)「ジュネヴァ・ジン」、「ドライ・ジン」、「プリマス・ジン」など。(ジンのみの表記もあり。)
※イギリスのジン・カクテル代表格 × 3 =「マティーニ」、「ジントニック」、「トムコリンズ」