奴隷交易の悲しみから ... カクテル プランターズ・パンチ

 

「プランターズ」のそもそもの起源

 

 

 

プランテーションとは?

 

 

 

熱帯・亜熱帯地域の植民地で、植民地に入植したヨーロッパの白人が、現地人、または黒人奴隷を労働力として、輸出用の商品作物(砂糖、タバコ。茶、コーヒー、ゴムなど)を大規模に生産する大農園のこと。16世紀のポルトガルによるブラジルでの砂糖プランテーションが始まりとされる。

 

 

 

 

 

 

上記プランテーション(大農場)では、砂糖を精製する時に発生する、糖分以外の成分も含んだ粘状で黒褐色の液体=廃糖蜜(はいとうみつ)は、当時、食事も満足に摂れない奴隷たちにとっての大変貴重な糖分やミネラル分に ...後の1536年、ポルトガル移植者がブラジルに蒸留機を輸入し、サトウキビを原料に蒸留酒を造り始める。(カシャッサの起源)

 

 

 

 

 

※廃糖蜜は英語ではモラセスまたはモラッセス。日本では廃糖蜜という呼び方に抵抗感があるため、単に糖蜜、あるいはモラセスと外来語表記する場合が多い。(Wikipediaより抜粋)

 

 

 

19世紀に入ると奴隷制プランテーションは、人道的な問題が生じるようになり自由主義、人権思想が発展とともに衰退。奴隷労働力ではなく、現地人を安価な労賃で雇って労働力とする方式に変化していく ...北部(アメリカ合衆国)の連邦主義、保護貿易主義、奴隷制廃止に対して南部(アメリカ連合国)の反発 ~  1861年の南北戦争へ ...(この戦争前後の攻防を描いた映画が「風と共に去りぬ」)

 

 

 

現在=外国資本が、低開発地域で現地の労働力を使って資本主義的経営を行う大農園をプランテーションと言う。

 

 

 

 

 

※プランターズ=農園経営者のこと

 

 

※アメリカ独立の基盤となった産業=南部の綿花プランテーション

 

 

 

 

 

※世界史の窓より抜粋(https://www.y-history.net/appendix/wh1002-080.html)

 

 

 

 

 

パンチ = カクテル普及のきっかけとなったスタイルであり、比較的自由度の高いミクスト・ドリンクを示す総称。パンチとは、ヒンディー(ヒンドゥー)語で数字の「5」という意味で、昔5種類の材料を混ぜ合わせたことから名付けられる。

 

 

 

「これは私の銀のボウル、古きよき時代を思い出す。

喜びにあふれた昼下がり、陽気な夕べ、楽しいクリスマスの鐘の音。

自由で愉快、でも誠実で勇敢な真実の時間。

パンチを満たしたそんな日々、古いボウルは新しかった ...(パンチを飲んで楽しんだ酒宴の歌)

 

 

※オリヴァー・ウェンデル・ホームズ 作

 

 

 

プランターズ・パンチ(Plunteres Punch)カクテル=プランテーション(大農場)で働く労働者たちの飲み物

 

 

 

19世紀後半の中南米(キューバ、ジャマイカ)のプランテーション(大農場)で労働者たちに、バケツで作って飲んでいたのがルーツ。当時は製造技術の科学的見地など備わっているはずもなく、その場所で入手できる余分材料を使った粗野で素朴なドリンクであったであろう...

 

 

 

 

 

ジャマイカ・ラム 45ml

レモンジュース 20ml

シュガーシロップ 15ml

コアントロー 1tsp

ポートワイン 2tsp

 

 

ポートワイン以外をシェークして、クラッシュド・アイスを入れたタンブラーへ注ぐ。ポートワインを静かに浮かべる。

 

 

※オレンジやパイナップル・ジュース、グレナデン・シロップやビターズなどを使うさまざまなレシピが存在。

 

 

 

 

また、良質なラムが安く手に入るジャマイカのプランターたちの間で特に好まれていたという、ショートカクテルのスタイルも ...

 

 

 

 

 

プランターズ カクテル No.1

 

ラム(指定なし) 30ml

オレンジジュース 30ml

レモンジュース 1ダッシュ

 

 

プランターズ カクテル No.2

 

ジャマイカ・ラム 30ml

レモンジュース 15ml

シロップ 15ml

 

 

 

 

 

蛇足

 

 

 

1、ジャマイカン・ラムの有名銘柄 のマイヤーズラム = 1879年、ジャマイカの砂糖農園主だったフレット・ルイス・マイヤーズによって作られたのが始まりとされているが、樽熟成の場所が現在でもイギリスというのは ...(歴史上の史実の因果関係でしょうか?)

 

 

 

 

 

2、ポルトガルから独立し、黒人たちの身分も解放された今もなお、「カシャーサ」はブラジルの労働者の命の水の象徴である。

 

 

 

 

 

3、パンチを正しく作る大切な秘訣 =さまざまな材料を少しずつ、十分に混ぜること。苦いもの、甘いもの、蒸留酒、リキュールのうち、どれかひとつが目立ってしまうことのないようにする。大切なのは、材料の分量を正確にはかることより、加えていく順番と混ぜ方。(※サヴォイ・カクテルブックより抜粋)

 

 

 

4、ゴスペルの曲で有名な「アメイジング・グレイス」は、元奴隷船船長が書いた名曲。作詞者 ジョン・ニュートン(イギリス)

 

 

 

 

 

※黒人奴隷貿易に関わったことに対する深い悔恨と、それにも関わらず赦しを与えた神の愛に対する感謝が込められているといわれている。(Wikipediaより)

 

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